昭和四十八年度の決算状況

301 ~ 312
前述の財政計画により執行された大田原市財政の現況を、昭和四十八年度会計の決算状況により示せば次のとおりである。
 
 一般会計及び国保特別会計の概要
 昭和四十八年度の一般会計予算は、当初二〇億四、四七七万四千円の規模であったが、その後市税、地方交付税及び国庫支出金の決定等にともない、六回の補正により最終予算額は二四億二、八六五万円となった。
 これに対し決算額は、歳入二四億四、九九四万円、執行率一〇〇・九%、歳出二三億八、一三九万五千円、執行率九八・一%で、歳入歳出差引き六、八五四万五千円を四十九年度に繰越すことになり、繰越明許費により翌年度へ繰越すべき額が、二二〇万円あるので実質収支は六、六三四万五千円となった。
 昭和四十八年度大田原市国民健康保険事業費特別会計については、当初予算規模が四億五、九一二万一千円であったが、その後二回の補正により、最終予算額は四億八、一七八万円となった。
 これに対し、決算額は歳入五億五三万三千円、執行率一〇三・九%、歳出四億六、六四七万九千円、執行率九六・八%で、歳入歳出差引き三、四〇五万四千円の内一、〇〇〇万円を大田原市国民健康保険給付基金に繰入れたため、残額二、四〇五万四千円を四十九年度へ繰越すことになった。
 四十八年度は、当初四十七年度にとった景気刺激策により、経済は依然として拡大基調にあったため、政府は経済運営の基本を国民福祉の向上を図りながら物価の安定と国際収支の改善を推進してゆくことにした。しかし四十八年度になってからの景気過熱、物価騰勢は非常に根強いものがあったため、年度中途において経済金融政策の引き締めに転じたが、年末に起きたオイルショックは、物価上昇に拍車をかけることになり、建築資材の不足、買いだめ、便乗値上げ等の社会問題を惹起した。
 このような環境下での本市四十八年度財政運営は、前述のように一般会計・国保特別会計ともに一般財源の順調な伸びにより、黒字決算をみることができた。また大田原市振興計画に基づく実施計画にもられた事業についても、概ね計画どおり実施され所期の目的を達成することができた。
 しかしながら、財政構造をみるとき、人権費及び社会福祉関係経費等の義務的経費の増加及び建設事業費に充当する特定財源の減少傾向等、財政硬直化の兆がうかがえる。したがって今後の財政運営にあたっては、財政構造の改善に留意しながら更に効率的な予算執行に努めなければならないことが痛感させられる決算内容となっている。

(「昭和四八年度会計の決算状況」)

なお、四十八年度の一般会計歳入歳出の決算状況は、第3~9表、第6・7図のとおりである。
第3表 昭和48年度一般会計歳入決済
区分昭和48年度昭和47年度増減(△)額
(A)-(B)
増減(△)率
科目決算額(A)構成比決算額(B)構成比48年度47年度
千円千円千円
1.市税757,30230.9576,74228.9180,56031.324.4
2.地方譲与税17,3130.716,2040.81,1096.8371.2
3.自動車取得税交付金35,0811.430,4331.54,64815.322.9
4.地方交付税718,44029.3543,18327.2175,25732.311.6
5.交通安全対策特別交付金5,2820.23,8600.21,42236.8180.5
6.分担金及び負担金60,7272.565,9203.3△5,193△7.930.3
7.使用料及び手数料28,9191.227,7111.41,2084.431.6
8.国庫支出金336,49713.8283,46214.253,03518.736.9
9.県支出金98,6974.086,5794.312,11814.0△16.4
10.財産収入19,3190.836,6091.8△17,290△47.2230.3
11.寄附金24,4221.05,3980.319,024352.492.1
12.繰入金1114,1350.7△14,124△81.2
13.繰越金45,0381.932,6751.612,36337.8△59.0
14.諸収入147,7926.0132,0696.615,72311.920.0
15.市債155,1006.3143,4007.211,7008.2△1.8
歳入合計2,449,940100.01,998,380100.0451,56022.611.8

第4表 昭和48年度市税の税目別内訳
区分昭和48年度昭和47年度増減
税目調定額(A)収入済額(B)徴収率
(B)/(A)
構成比収入済額(C)徴収率構成比金額
(B)-(C)
48年度47年度
千円千円千円千・
1.市民税308,204306,92399.640.5225,34199.639.181,58236.235.6
(1)個人203,779202,48099.426.7147,15699.425.555,32437.624.3
(2)法人104,425104,443100.013.878,185100.013.626,25833.663.5
2.固定資産税244,432243,27799.532.1201,62699.535.041,65120.721.0
(1)純固定資産税234,489233,33499.530.8192,57699.533.440,75821.221.6
(2)交付金及び納付金9,9439,943100.01.39,050100.01.68939.99.7
3.軽自動車税15,88715,76499.22.112,90899.42.22,79621.67.2
4.市町村たばこ消費税80,37780,377100.010.673,187100.012.77,1909.813.6
5.電気ガス税30,84730,847100.04.130,819100.05.3280.114.9
6.木材引取税187187100.00.1225100.00.1△38△16.995.7
7.都市計画税48,03847,82499.66.332,57699.55.615,24846.818.9
8.特別土地保有税35,92132,10389.44.232,103
763,893757,30299.1100.0576,74299.7100.0180,56031.324.4

第5表 昭和48年度一般会計歳出決済
(イ)目的別
区分昭和48年度昭和47年度増減(△)額
(A)-(B)
増減(△)率
科目決算額(A)構成費決算額(B)構成費48年度47年度
千円千円千円
1.議会費57,7562.445,3142.312,44227.527.5
2.総務費352,95814.8286,52914.766,42923.25.9
3.民生費339,40614.2257,64113.281,76531.730.4
4.衛生費144,9186.1101,0645.243,85443.40.9
5.労働費22,5110.944,1102.3△21,599△49.0515.8
6.農林水産業費197,0118.3164,5608.432,45119.7△2.1
7.商工費90,1893.874,5173.815,67221.032.5
8.土木費(繰明費2,200)21.3516,36926.4△10,124△2.023.0
506,245
9.消防費83,9053.569,8623.614,04320.113.9
10.教育費463,47819.5293,88815.0169,59057.7△16.8
11.災害復旧費18,1880.84,3720.213,816316.0△4.9
12.公債費93,4843.987,3024.56,1827.113.2
13.諸支出金11,3460.57,8140.43,53245.2144.2
歳出合計(繰明費2,200)100.01,953,342100.0428,05321.911.3
2,381,395

(ロ)性質別
区分昭和48年度昭和47年度比較
性質別決算額(A)構成比決算額(B)構成比増減(△)額
(A)-(B)
増減(△)率
千円千円千円
1.投資的経費874,91636.8707,46936.2167,44723.7
(1)普通建設事業費856,72836.0703,13736.0153,59121.8
  イ 補助事業費347,60714.6285,01214.662,59522.0
  ロ 単独事業費509,12121.4418,12521.490,99621.8
(2)災害復旧事業費18,1880.84,3320.213,856319.9
2.義務的経費930,65639.0751,44338.5179,21323.8
(1)人件費617,99825.9503,91725.8114,08122.6
(2)扶助費219,2289.2160,2648.258,96436.8
(3)公債費93,4303.987,2624.56,1687.1
3.その他の経費575,82324.2494,43025.381,39316.5
(1)物件費178,0697.5145,1587.432,91122.7
(2)維持補修費38,4751.657,6493.0△19,174△33.3
(3)補助費等239,07410.0167,8528.671,22242.4
(4)繰出金49,7422.15,0660.244,676881.9
(5)貸付金及び積立金60,7452.6108,4485.6△47,703△44.0
(6)投資及び出資金9,7180.410,2570.5△539△5.3
合計2,381,395100.01,953,342100.0428,05321.9

第6表 市民の税負担状況
(イ)一般会計
区分収入済額市民1人当り一世帯当り
1.市民税306,923,3667,20930,671
2.固定資産税243,276,0845,71424,311
3.軽自動車税15,764,1703701,575
4.市町村たばこ消費税80,377,3601,8888,032
5.電気ガス税30,846,9667253,083
6.木材引取税186,993419
7.都市計画税47,823,7481,1234,779
8.特別土地保有税32,103,1707543,208
合計757,301,85717,78775,678
昭和49年3月31日現在
    人口   42,573人
    世帯数  10,007世帯

(ロ)国民健康保険事業費特別会計
 A 国民健康保険税(収入済額)      208,876,576円
 B 被保険者1人当り               8,575円
 C 加入世帯1世帯当り             34,349円
     昭和49年3月31日現在
         被保険者数  24,358人
         加入世帯   6,081世帯
第7表 いくら支出したか
(イ)一般会計
区分昭和48年度昭和47年度比較
(増減(△))額
科目市民1人当り1世帯当り市民1人当り1世帯当り市民1人当り1世帯当り
1.議会費1,3575,7721,0764,6272811,145
2.総務費8,29135,2716,80129,2591,4906,012
3.民生費7,97233,9176,11626,3091,8567,608
4.衛生費3,40414,4822,39910,3201,0054,162
5.労働費5292,2501,0474,504△518△2,254
6.農林水産業費4,62819,6873,90616,8047222,883
7.商工費2,1189,0131,7697,6093491,404
8.土木費11,89150,58912,25752,728△366△2,139
9.消防費1,9718,3851,6587,1343131,251
10.教育費10,88746,3156,97630,0103,91116,305
11.災害復旧費4271,8181044463231,372
12.公債費2,1969,3422,0728,915124427
13.諸支出金2671,13418579882336
合計(歳出合計)55,938237,97546,366199,4639,57238,512

(ロ) 国民健康保険事業費特別会計
  保険給付費  48年度被保険者1人当り   17,928円
         47年度被保険者1人当り   15,378円
         比較(増減(△))額    2,550円
  保険給付費  48年度1世帯当り      71,814円
         47年度1世帯当り      62,594円
         比較(増減(△))額    9,220円
第8表 財産・公債及び一時借入金の現在高
(イ)財産の現在高
区分土地建物
m2m2
本庁舎9,6144,090
その他の行政財産消防6381,066
公共用財産学校366,46552,115
公営住宅148,64014,426
公園119,353482
その他の施設96,61912,789
普通財産建物688
宅地25,371
田畑・山林等116,480
墓地56,064
合計939,24485,656

(ロ)基金の現在高
区分地積及び金額区分地積及び金額
大田原市基金山林235,310m2大田原市財政調整基金109,619千円
立木881m3大田原市国民年金印紙基金現金 5,206千円
印紙 794千円
有価証明1,900千円大田原市国民健康保険給付基金21,092千円
現金48,093千円大田原市土地開発基金現金 103,120千円
大田原市奨学基金2,000千円貸付金 9,000千円
土地 27,236千円

第9表 昭和48年度国民健康保険事業費特別会計決算
(イ)歳入
区分48年度47年度比較
科目予算現額
(A)
収入済額
(B)
予算現額に対する増減(B)の構成比決算額
(C)
増減額
(B)-(C)
増減率
(B)/(C)
千円千円千円千円千円
1.国民健康保険税200,720208,8778,15741.7154,68254,19535.0
2.一部負担金2△2
3.使用料及び手数料30451550△5△10.0
4.国庫支出金265,531272,4866,95554.4240,91931,56713.1
5.県支出金1,5071,6931860.3391,6544,241.0
6.財産収入364328△360.11,332△1,004△75.4
7.繰入金10,00010,0002.013,000△3,000△23.1
8.繰越金3,4003,4000.721,954△18,554△84.5
9.諸収入2263,7043,4780.81,5432,161140.1
歳入合計481,780500,53318,753100.0433,51967,01415.5

(ロ)歳出
区分48年度47年度比較
科目予算現額
(A)
支出済額
(B)
不用額
(A)-(B)
執行率
(B)/(A)
(B)の構成比支出済額
(C)
増減額
(B)-(C)
増減率
(B)/(C)
千円千円千円千円千円
1.総務費22,98322,07890596.14.717,9174,16123.2
2.保険給付費450,303436,69913,60497.093.6383,88952,81013.8
3.保健施設費7,5547,32622897.01.67,2121141.6
4.基金積立金3643283690.00.11,332△1,00475.4
5.諸支出金76482863.0247△199△80.6
6.予備費500500
歳出合計481,780466,47915,30196.8100.0410,59755,88213.6


第6図 最近における財政規模の推移


第7図 公債の現在高
(昭和48年度末現在高 770,132千円)