大田原市振興計画にみる商業

582 ~ 583
大田原市においては、昭和四十六年から一〇年間の開発発展をはかるため「大田原市振興計画」を策定し、それを進行してきた。ここではこの計画に基づいて、本市の商業のあり方を見ていくことにする。
 1 土地利用の再検討
 大田原市は市制施行以来、豊かな農村を主体としたいわゆる農業都市として、また、県北の行政・産業・文化の中心都市としての位置にあった。しかし、同四十一年通産省東京通産局によって、大田原工業団地造成調査が行われることになったのである。これとあわせて、市街化区域と市街化調整区域の線引き、農業振興地域の整備計画等により、土地利用の区分が必要になってきたのである。
 これにより、市域がそれぞれの特性に応じて、土地利用の方向を定められたが、特に商業振興地区として次の地区をあげている。
(1)大田原市街地 商業地域を更に拡大し、「市の顔」として魅力ある商店街を形成する。

(2)野崎地区 本市の基幹工業団地として、開発を進めるとともに、野崎駅周辺には住宅地域及び商業地域を指定し、大田原市の「副都心街」を目標として開発する。

 特に、商業の振興については「既成商店街」の再開発を積極的に推進する一方、経営の近代化、合理化を図り、魅力ある商店街を形成し、消費人口の拡大と吸引力を増大するとし、本市が県下に誇る農業の近代化、野崎工業団地を基幹とした工業開発の伸展、都市改造を主体とした商業活動への活発化により、農工商がそれぞれ密接な関連を持ちながら、「那須広域圏における魅力ある中核都市」となるよう計画しているのである。