官林火災

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明治十一年(一八七八)三月十四日には、紫塚・沼袋に広がって、民家一戸を含んだ官林五町歩余(約五ヘクタール)に及ぶ山林火災があった。原因は通行人の捨てたたばこによると思われるとの「始末書」が、大田原宿戸長から県令宛に次のように提出されている。
   始末書
官林野火入之始末御尋ニ付左ニ奉申上候本月十四日午後第二時頃大田原宿地内石林通東添字紫塚道下野火付候処折節西風烈シク難消留同字沼野袋農家一戸焼失 ヨリ民林江一円ニ燃入候ニ付多人数ヲ以相防候得共何分烈風ニテ終ニ三番官林之内反別五町歩余焼亡仕二番官林境ニテ消留同午後五時頃鎮火仕候依テ火ノ根元篤ト取調候処往来之旅人烟草之火道端江落シ候ヨリ相発シ候義ト奉致以外ニ怪処義無御座候依之始末申上候
以上
  明治十一年三月十五日

                                 第三大区九小区
                                  那須郡大田原宿
                                   副戸長   江連政盛
                                   戸長    西海石邦三
   長官宛
(大田原・第八六)