一方では漸増する失業者、そしてその救済事業なども施行されてくる。昭和五年十月一日に行われた第三回国勢調査には失業者調が加えられ、翌年二月の「栃木県報」第四一三号には、大田原町二二名、金田村・佐久山町・野崎村各一〇名、那須郡三一町村で三五二名、県全体で三、〇七七名と記録されている。
そしてこれらの救済対策には、土木関係事業による救済措置が即効適格であるとして、県より各市町村長宛に同六年二月十三日「災害復旧工事ニ失業者採用ノ件」が通達されている。同八年度「県営産業振興土木事業ニ失業者就労輔導ニ関スル件」等は、別項で触れているのでここでは省く。