目次
/
第三編 社会
/
第二章 戦争と市民生活
/
第二節 日中戦争勃発以後
家庭防火群の結成
719 ~ 720
この六月から灯火管制規則実施により、空襲警報はサイレン六秒一〇回、警鐘は一点と四点連打とされていたが、去る二月の消防議会大田原支部評議員会では、以下のような家庭防火群の組織を決議したのである。
「今後ノ戦争ハ空襲ニ依ル焼夷弾ノ投下ヲ以テ一挙ニ之ヲ灰燼ニ帰シ(中略)空襲ニ依リ同時ニ多数起ルベキ爆発火災ハ現在ノ消防機関ノ能力ノミニテハ完全ナル防止ハ至難事ナリ。(中略)当支部ニ於テハ(中略)各部落毎ニ五戸乃至二十戸位相寄リ協力シテ防火ノ任ニ当ル統制アル防火群ノ結成ニ可急的ニ編成シ時局ニ処セントス(以下略)」(金田・第一一一)
とその理由を説明している。
不幸中の幸いというのか、当市域では一般市街地域が空襲による防火活動にほんろうされるまでの苦境は味わないですんだのである。