勤労民謡

725 ~ 726
七月に大田原町長から、大政翼賛会県支部に「勤労民謡調査」が報告されている中で、古くから伝わって来たものとして、
 (1)田植唄
  那須の与一は三国一よ男美男で旗頭
 (2)草刈唄
  片手に鎌持ち片手に砥石浮きで砥ぐせか砥ぎつかぬ
 (3)盆踊唄
  お月様さえ夜遊びなさるわしの夜遊び無理じゃない
 (4)餅つき唄
  佐久山の温泉林の八重桜八重につぼんで八重に咲くよいよいよいとさ
 などの歌詞(抄出)が挙げられている。そして、現在の状況を以下のように記している。
 
  ○田植唄はまだ田植の際に唄はれているが年と共に廃れて行く傾向がある。
  ○草刈唄は四十年ばかり以前に唄はれたものであるが現在は全く廃れて居る。
○盆踊唄は事変前盛んに唄はれたものであるが、事変後は全然盆踊りを廃したるため現今は全く唄はれていない。

○餅つき唄は殆ど唄はれない状況にあるが、大田原の南方地区川下(カハゲ)に於てたまたま唄はれている。

○要するに田植唄、草刈唄、盆踊唄、餅つき唄等は年と共に廃れ行く傾向がある。其の原因はラジオ・レコード・トーキー映画等の音楽の影響に起因するものである。

(学・第一〇)