第2表 野崎村への都府県別疎開者数一覧 |
地区別 | 男女別 | 年齢別 | 計 | |||||
七歳以下 | 七歳ヨリ 一五歳マデ | 一六歳ヨリ 二〇歳マデ | 二一歳ヨリ 三〇歳マデ | 三一歳ヨリ 四五歳マデ | 四六歳ヨリ 五五歳マデ | |||
東京都区部 | 男 | 八七 | 八三 | 四六 | 二三 | 五二 | 三七 | 三二八 |
女 | 一一九 | 八六 | 四七 | 一一三 | 一〇一 | 二七 | 四九三 | |
東京都郡市部 | 男 | 一 | 四 | 二 | 七 | |||
女 | 四 | 三 | 二 | 三 | 三 | 一五 | ||
神奈川県 | 男 | 二六 | 一六 | 一三 | 一一 | 六 | 四 | 七六 |
女 | 二三 | 一七 | 六 | 二六 | 一九 | 三 | 九四 | |
埼玉県 | 男 | 一 | 二 | 一 | 一 | 五 | ||
女 | 一 | 一 | 一 | 三 | ||||
群馬県 | 男 | 一 | 一 | |||||
女 | ||||||||
その他の府県 | 男 | 一 | 一 | 二 | ||||
女 | 一 | 三 | 四 | |||||
合計 | 男 | 一一五 | 一〇五 | 六三 | 三六 | 五九 | 四一 | 四一九 |
女 | 一四七 | 一〇七 | 五六 | 一四六 | 一二三 | 三〇 | 六〇九 |
(野崎・第二六) |
一、疎開(戦災)者ノ一般的動向
永年都会ノ利便ナル生活ニ馴レ生活物資之万般ニ及ブ配給制度確立ノ恩恵ニ浴シタル之等疎開者ハ、地方転出ト同時ニ取扱範囲ノ縮少セラレタル配給制度及数量ニ飽迄過去生活ノ華美飽食ヲ追ヒ所謂戦時下耐乏生活ニ馴レントスル以前ニ再度都会ニ転帰セントスルノ希望ヲ披歴スルモノ少カラズ
乍テ帝都ノ状況逐次深刻化セル為近時漸ク此ノ風ノ殆ド見受ケラレザルハ疎開者ノ将来ニ付喜ブベキ現象ナリ
二、疎開者及戦災者ガ純朴ナル農村美風ヲ害シアル実例
前記ノ如ク都会ニ於ケル配給物資ノ広範囲ニ比シ相当買出等ニ依ル物資ノ入手ヲ要スルモノ多キ為、各農業ニ対スル之等疎開者ハ頻リニ物価ノ糶上ヲ以テノミ入手ニ努ムル為従来生産ニ従事セザル村住民ノ生活費等ニ相当痛手ヲ負ハセツヽアリ
三、疎開者及戦災者ノ最モ困難ヲ感ジアル事項
一、住宅問題
三、乳製品等ノ配給量ノ相違
四、市町村当局ニ於テ困惑ヲ感ジアル事項
疎開者ニ対シテハ戦局ノ緊迫化ニ鑑ミ直ニ勤労態勢ヲ確立セシメントスルモ、何レモ幼少ノ子女ヲ伴フ婦女子ノ大部分ナル為、援農、勤奉等ニ対シテモ従来ノ在住者トノ振合ニ不均衡ヲ生ジ、一面之等疎開者ノ大部分ハ徒ラニ過去ニ於ケル都会地ノ配給物資ノ豊富ナリシヲ口外シ所謂権利ト義務ノ観念ニ併行ヲ欠ク憾アリ受入側トシテハ之等ノ融合ニ関シ相当困難ナル情勢下ニ置カレツヽアリ
永年都会ノ利便ナル生活ニ馴レ生活物資之万般ニ及ブ配給制度確立ノ恩恵ニ浴シタル之等疎開者ハ、地方転出ト同時ニ取扱範囲ノ縮少セラレタル配給制度及数量ニ飽迄過去生活ノ華美飽食ヲ追ヒ所謂戦時下耐乏生活ニ馴レントスル以前ニ再度都会ニ転帰セントスルノ希望ヲ披歴スルモノ少カラズ
乍テ帝都ノ状況逐次深刻化セル為近時漸ク此ノ風ノ殆ド見受ケラレザルハ疎開者ノ将来ニ付喜ブベキ現象ナリ
二、疎開者及戦災者ガ純朴ナル農村美風ヲ害シアル実例
前記ノ如ク都会ニ於ケル配給物資ノ広範囲ニ比シ相当買出等ニ依ル物資ノ入手ヲ要スルモノ多キ為、各農業ニ対スル之等疎開者ハ頻リニ物価ノ糶上ヲ以テノミ入手ニ努ムル為従来生産ニ従事セザル村住民ノ生活費等ニ相当痛手ヲ負ハセツヽアリ
三、疎開者及戦災者ノ最モ困難ヲ感ジアル事項
一、住宅問題
二、薪炭、野菜等ノ入手難(何レモ部隊供給等ニ制限サレ自由購入ノ余地殆ントナキ為)
三、乳製品等ノ配給量ノ相違
四、市町村当局ニ於テ困惑ヲ感ジアル事項
疎開者ニ対シテハ戦局ノ緊迫化ニ鑑ミ直ニ勤労態勢ヲ確立セシメントスルモ、何レモ幼少ノ子女ヲ伴フ婦女子ノ大部分ナル為、援農、勤奉等ニ対シテモ従来ノ在住者トノ振合ニ不均衡ヲ生ジ、一面之等疎開者ノ大部分ハ徒ラニ過去ニ於ケル都会地ノ配給物資ノ豊富ナリシヲ口外シ所謂権利ト義務ノ観念ニ併行ヲ欠ク憾アリ受入側トシテハ之等ノ融合ニ関シ相当困難ナル情勢下ニ置カレツヽアリ
(野崎・第二六)