金丸原飛行場勤労奉仕

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昭和十九年二月二十二日付の秘密文書で周辺町村長へ、左記のような依頼がなされていた。
 
 昭和十九年二月二十二日
                                那須地方事務長 羽吉甲子郎
                                大田原警察署長 横堀精研
                                川西警察署長  半田武二
                                那須郡支部長  小幡誠作
川西町長 殿
今般戦局ノ変化ニ伴ヒ金丸原飛行場急工事ヲ要スル事ト相成候、就テハ同飛行場附近ノ町村ヨリ左記事項ニ依リ勤労報国隊ヲ急編成セラレ御協力相煩ハシ度、此段及御依頼候也
附記△作業飛行場用トラック使用同場地ナラシ △用具ノ都合上一日三十人宛出 △弁当持参 △作業時間午前九時開始午後五時終業 △手当一日金二円支払トシ最後ニ飛行場ヨリ町村出務代表者ニ手渡サルヽ筈 △雨天ニテ作業不可能ノ場合ハ最後二日ヲ補足ス △各町村ニテ適当ナル隊長ヲ決定セラレ作業能率進其ノ他ニ便セラルルコト
(「大政翼賛会関係綴 昭和一九年度」黒羽町役場所蔵)

 このような勤労奉仕作業は、隣組や銃後の国防婦人会その他の諸団体員を結集して、連日どこかで展開されていたのである。航空機用に松根油を活用するため、旧奥州街道沿い、親園から大田原への六本松、中田原二本松の松並木も倒されていったのである。
第3表 協力事項
出動町村名町村出動延人員(但シ道具ノ都合上一日三〇名宛出務ノコト)出動勤奉日数
金田村三六〇(自二月二五日 至三月七日 一二日間)
湯津上村一五〇(自三月八日  至  一二日 五日)
親園村一五〇(自  一三日 至  一七日 五日)
狩野村一五〇(自  一八日 至  二二日 五日)
西那須野町一五〇(自  二三日 至  二七日 五日)
川西村一五〇(自  二八日 至四月一日 五日)
黒羽町一五〇(自  二日  至  六日 五日)
大田原町二四〇(自  七日  至  一四日 八日)