◎防空生活をしっかりと固めよう。
一、空襲をはね返す強い身体に鍛へよう。
二、隣組精神で防空生活の工夫をしよう。
三、空襲に備へて手持現金は貯蓄しよう。
四、特攻魂で増産に挺身しよう。
―あの忠烈崇高なる陸海特別攻撃隊勇士の精神を継承して増産に挺身しよう。
(金田・第二一三)
すでに同十九年十月比島沖海戦での神風特別攻撃隊の出撃も空しく、十一月にはマリアナ基地を発進した米爆撃機B29が、東京都を初空襲した。以後も東京都区部を初め大都市から中都市への大挙空襲が、昼夜を問わず敢行されたのである。都市からの避難民を混えた列車への乗降には、尻を押し上げてもらい、窓から出入するなどの混雑ぶりを示したのである。電灯を暗幕で覆う灯火管制の夜も頻繁になってきたのである。
三月には「敵空襲ニ伴フ宣伝文ニ関スル件」で、「戦災者は次の戦闘配置に就かうとしてゐます」、「ここだ頑張れ、驕敵への報復はただ必死の増産あるのみ」など、戦災民への志気高揚を図るよう栃木県大政翼賛会は呼びかけるのであった。
警戒警報発令中の看板
(増川修二氏提供)