不必要文字の削除

752 ~ 753
同二十年の九月には、地方事務所長から次のような通達も出されている。
 
  栃那総第八〇一号
   昭和二十年九月二十四日
                                     那須地方事務所長印
    各町村長 殿
   戦争終結ニ伴ヒ不必要トナレル文字ノ削除ニ関スル件
大東亜戦争ノ終結ニ伴ヒ自然不必要トナレル文字、例ヘバ「必勝国民貯蓄組合」ノ必勝、或ハ「米英撃滅貯蓄」ノ米英撃滅ノ如キ文字ヲ使用シ居レル向ニ対シテハ已ニ之ガ削除方御手配ノコトト存シ候得共貯蓄組合其他ニ於テモ斯ル事例有之キト存セラレ候ニ付テハ至急之ガ改称方可然管下各方面ヘ御指導相成度
 追テポスター等ニシテ斯ル文字ノ使用シアルモノニ対シテハ速ニ之ガ撤去方御手配相成度

(金田・第二一三)

 十月に「国防軍備等ヲ強調セル教材、戦意高揚ニ関スル教材」などの削除が指示され、十二月末日には、修身・国史・地理の授業が禁止された。翌年十月には修身を除き、国史・地理の授業は、墨塗りで消した教科書で再開されたのである。