関係市町村との廃止に伴う条件及び内容は、次のとおりである。
東野鉄道廃止時の関係市町村との契約内容
一、軌道撤去後における各駅間の路線敷地は、無償で道路として使用する。
二、将来鉄道線路として使用するときは、無償で東野に返すこと。
三、将来バス道路として一部必要になったときは、甲乙協議する。
四、既に撤去してある湯津上分については、これと同様とする。
五、駅構内はバスターミナルとして使う。
六、鉄道廃止後は、バスの運行を増し、支障のないようにすること。
昭和四十三年六月四日付
確約書は昭和四十三年六月五日付
(「第四回市議会会議録」 市長答弁)
なお、東野鉄道廃止の公示及び謹告が、次のようになされたのである。
公示
今般東野線西那須野、黒羽間の営業を来る十二月十五日限り廃止することになり公示いたします。
昭和四十三年十二月九日
東野鉄道株式会社
東野鉄道廃止公示
謹告
当社の経営する鉄道線(西那須野―黒羽間)につきましては、多年に亙り御愛顧を賜り有難く厚く御礼申し上げます。
近時、道路整備進展に伴い鉄道旅客貨物が逐次自動車に移行し、バス、トラック利用に替わり年毎に鉄道利用度の減退を来し、反面、人件費を始め運転費、線路保存費は増額の一途を辿り、次第に経営難渋を来し累積赤字となりました。この間当社は鉄道事業の公共性を慮り、数度に亙る経営の合理化の実施をなし、事業の存続に懸命の努力を払い、尚、兼業している自動車事業及び索道事業の利益金によって赤字の負担等を行なって参りました。然しこれも限度があり、更に近年鉄道施設全般の老朽化が著しく、これ以上公益事業として営業を継続することはおぼつかなく、万やむを得ず沿線関係者の方々と協議の末、その同意を得て運輸大臣より十二月十五日付許可をうけ、来る十二月十五日を以て鉄道営業を廃し五十年の永い歴史を閉じる事に相成りました。
かえりみますと長期間いつも御愛顧戴いた皆様に心から感謝するものであります。この間、幾分なりとも地方経済発展にお役にたたせて戴きましたことを喜びとする次第であります。鉄道廃止後は当社のバスにより、又貨物及び小荷物は栃木県北通運会社によって、それぞれ従来の鉄道に優る輸送体制を確立し、サービス精神に則り栃木県地方の交通機関としての使命達成に邁進する所存でございますので、従来に劣らぬ御愛顧の程御願申し上げます。
昭和四十三年十二月十二日
当社の経営する鉄道線(西那須野―黒羽間)につきましては、多年に亙り御愛顧を賜り有難く厚く御礼申し上げます。
近時、道路整備進展に伴い鉄道旅客貨物が逐次自動車に移行し、バス、トラック利用に替わり年毎に鉄道利用度の減退を来し、反面、人件費を始め運転費、線路保存費は増額の一途を辿り、次第に経営難渋を来し累積赤字となりました。この間当社は鉄道事業の公共性を慮り、数度に亙る経営の合理化の実施をなし、事業の存続に懸命の努力を払い、尚、兼業している自動車事業及び索道事業の利益金によって赤字の負担等を行なって参りました。然しこれも限度があり、更に近年鉄道施設全般の老朽化が著しく、これ以上公益事業として営業を継続することはおぼつかなく、万やむを得ず沿線関係者の方々と協議の末、その同意を得て運輸大臣より十二月十五日付許可をうけ、来る十二月十五日を以て鉄道営業を廃し五十年の永い歴史を閉じる事に相成りました。
かえりみますと長期間いつも御愛顧戴いた皆様に心から感謝するものであります。この間、幾分なりとも地方経済発展にお役にたたせて戴きましたことを喜びとする次第であります。鉄道廃止後は当社のバスにより、又貨物及び小荷物は栃木県北通運会社によって、それぞれ従来の鉄道に優る輸送体制を確立し、サービス精神に則り栃木県地方の交通機関としての使命達成に邁進する所存でございますので、従来に劣らぬ御愛顧の程御願申し上げます。
昭和四十三年十二月十二日
宇都宮市一条町一、一六七
東野鉄道株式会社
取締役社長 小林正郎
東野鉄道廃止記念乗車券と当日の補充券(益子孝治氏蔵)