ライスライン

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この大田原地区大規模農道整備事業(ライスライン)は「県営広域営農団地農道整備事業」「総合農政関連市町村道路整備事業」といい、昭和四十五年十二月に着工されたのである。
 本地域は那須野が原の南部に位置し、米を中心に畜産・野菜を主産とする本県有数の農業地域である。本地区の北西端には、東北自動車道及び国道四号線があり、首都圏並びに近郊都市への生鮮農産物の供給基地として、今後ますます発展を期待される地域なのである。
 本地域は、生産基盤の整備を始め生産・流通・加工施設・農村環境整備等の農業施策が推し進められているが、これら施設を連結する道路網の整備が遅れていたため、各種事業施設等が、その機能効果を十分に発揮できない現状にあった。そのため高生産性農業の展開を図るべく広域営農団地育成対策が進められ、その一環として生産物の集出荷・流通加工の一元的整備を目的として、大田原市を中心として半径五キロメートル内に、幅員九メートルの道路と、この道路から放射状にのびる八本の支線が建設される計画が立てられたのである。
 その受益地区は大田原市を中心に、西那須野町・湯津上村・黒磯市・黒羽町の二市二町一村に及んでいる。このライスラインのうち、西那須野町二区の国道四号線から、南区・花園・宇田川・鹿畑・南金丸・北金丸・小滝・今泉・西那須野町西富山の国道四号線までの約二九キロメートルが、昭和五十三年十月に完成し、同月七日に開通式が行われたのである。
 この完成部分には、市内でも大きな橋りょうの小種島大橋(延長一四八・六メートル)、宇田川橋(一七五メートル)、上今泉橋(一九〇・二メートル)の三橋が含まれている。なお要点をあげると次のとおり。
 延長 三九、一〇一メートル(農林水産省施行分二二、一七〇メートル。建設省分一六、九三一メートル)。
 幅員 全幅 九・〇〇メートル。車道幅員 六・五〇メートル。
 構造 アスファルト舗装。
 事業費 四五億円(農林水産省施行分二六億円、建設省分一九億円)。
 事業年度 着手昭和四十五年度、完了昭和五十五年度。
 ライスラインは、今後大型低速車の運行や酪農・野菜・米・麦等の農産物の生産や出荷、あるいは農業生産の向上と地域開発など、新しい村づくりのルートとしての重要な役割を担うものである。