最初の都市計画道路

903 ~ 906
都市計画とは、都市における政治・経済・文化等の諸活動が、最も合理的に発揮できるようにするとともに、これらの活動を支える生活環境を、良好に保存するための総合的な街づくりの計画である。
 旧大田原町が都市計画法の適用を受けたのは、大正八年四月に公布施行された旧法によるもので、昭和九年四月二十日に法適用になった。市制施行後、都市区画区域の変更がなされ、昭和三十年十月五日には、市区域のうち旧大田原町、旧金田村、旧親園村の全域と旧野崎村の一部薄葉、平沢、上石上、下石上地域が追加されたのである。
 道路を都市計画の見地からみると、都市計画道路とは、都市内の自動車交通を処理し、街区を構成しながら、都市形態の骨格を形成し、都市の経済活動、市民生活活動に欠くことのできない都市施設なのである。
 本市における最初の都市計画決定路線は、昭和二十五年四月十日に計画決定され、その後の最終計画決定は昭和三十三年十一月二十四日で、これが近代都市化をはかった最初の時期といえよう。路線は一二路線、総延長は一六、七二〇メートルである。各道路の延長・幅員・その他は左のとおりである。
 
  街路番号   街路名称     幅員(メートル) 延長(メートル)
  二―二―一  西那須野線     一一~一五   一、六九〇
(昭三〇・三一・三二・三三・三四・三五、県単及び国庫補助で舗装工事施工昭三六完工)

  二―二―二  白河線       一五      六五〇
         (昭三三・三四・三五、県単で側溝工事施工昭三八舗装施行予定)
  二―三―一  大田原矢板線    一一~一五   三、三五〇
         (昭二五・二六・二七・二九で拡張整備済、昭三四・三五舗装施工)
  二―三―二  大田原馬頭線    一一~一三   一、五九〇
         (昭二八・三〇・三一・三二・三三で拡張整備済、昭三六舗装施工七二〇米)
  二―三―三  停車場線      一一      一二〇
但し東野鉄道大田原駅前付近に面積約一、七〇〇平方メートルの駅前広場を設ける

         (昭三三駅前大火の跡を拡張整備済、昭三五・三六駅前道路施工)
  二―三―四  神明町沼袋線    八~一一    二、三三〇
         (昭三六全路線実測図作成、昭三七延長三〇〇米施工)
  二―三―五  大田原佐久山線   一一      九〇〇
         (昭三五・三六側溝舗装施工)
  二―三―六  神明町城山公園線  一一      一、一四〇
  一―小―一  成田町小泉線    八       一、一五〇
  一―小―二  大久保浅野線    八       二、一七〇
  一―小―三  大田原東那須野線  八       六三〇
  二―小―一  大久保沼袋線    六       一、〇〇〇
(「大田原都市計画概要」昭和三八年三月三一日)


上町十字路拡張工事(益子孝治氏提供)

 この計画は、市街地の内部交通の機能を果たす放射道路と、市街地の内部形態を決定した街路計画であって、市民生活に大切な基盤を提供することになる。

第1図 街路網図 昭和33年3月31日計画決定 (建設省告示第908号)

 このようにして、漸次、建設・改修・編入された都市計画道路は、昭和五十年七月一日で、一五路線、延長四二、九四〇メートルに及ぶことになったのである。