次の演習計画書は、金田村青年学校と金田村南青年学校との合同軍事演習のようすである。
一、目的 大東亜戦は一日毎に戦果を拡大している。而して其の戦果を完全に保有する事は銃後にある共栄圏建設者の責任である。恰も大東亜戦下初めて迎うる支那事変記念日に当り、金田村両青年学校生徒は連合演習を実施し、第一線将兵の労苦を偲び愈て銃後青年の志気を昂め以て必勝の信念を確立せしめるにあり。
二、期日 昭和十七年七月七日(雨天中止、小雨決行)
三、編成
(一)統監部編成 統監、両青年学校長 統監部付、両校専任教員
(二)演習部隊編成
イ、北軍、金田村青年学校生徒を以て編成す。
一ケ中隊三ケ小隊編成とす。
分隊は四分隊編成として、分隊長は生徒より任命す。
ロ、南軍、金田村南青年学校生徒を以て編成す。
中・小・分隊編成は北軍に同じ。
四、閲兵分列 演習終了後左記要項に依り金田南青年学校庭に於て閲兵分列を行う。
(一)金田南、金田両青年学校、南女、北女青年団の順序に閲兵分列を行う。
(二)受閲者は村長とす。
五、演習所見 両校長、中隊長、生徒にして特に賞讃に値するものあらば併せ報告のこと。
六、解散 南青年学校長挨拶
七、演習指導要領別紙要図の如し
想定
北軍、水戸方面の戦闘に於て敗北したる敵は退却しつゝ黒羽方面に集結しつつあり、漸次西進大田原方面に向わんとするも西那須に我が有力なる機械化部隊の駐屯せるを探知し、途中南金丸より北金丸を経て北進するものゝ如く、南進中の我が部隊と小滝東台に於て遭遇を予期し、南下せる我が部隊は、午前九時小滝に到着す。
此の時、部隊長の知り得たる情況左の如し。
敵兵力は単なる小銃部隊にして我よりはるかに劣勢なり。敵は午前九時頃北金丸に到着小滝台を北進せんとす。
南軍、我にはるかに有力なる兵力を有する敵は白河方面に集結中なるも漸次奥州街道南下中にして、練貫より小滝を経て黒羽方面に達するものの如く、北進中の我が部隊は此の敵と小滝東台に於て遭遇を予期し北進せる我が部隊は、午前九時木立に到着す。
此の時部隊長の知り得たる情況左の如し。
敵の先頭は機関銃小隊を有する約二百名の兵力にして、午前九時頃小滝に到着小滝台を南進せんとす。
(演習地付近図省略)
北軍、水戸方面の戦闘に於て敗北したる敵は退却しつゝ黒羽方面に集結しつつあり、漸次西進大田原方面に向わんとするも西那須に我が有力なる機械化部隊の駐屯せるを探知し、途中南金丸より北金丸を経て北進するものゝ如く、南進中の我が部隊と小滝東台に於て遭遇を予期し、南下せる我が部隊は、午前九時小滝に到着す。
此の時、部隊長の知り得たる情況左の如し。
敵兵力は単なる小銃部隊にして我よりはるかに劣勢なり。敵は午前九時頃北金丸に到着小滝台を北進せんとす。
南軍、我にはるかに有力なる兵力を有する敵は白河方面に集結中なるも漸次奥州街道南下中にして、練貫より小滝を経て黒羽方面に達するものの如く、北進中の我が部隊は此の敵と小滝東台に於て遭遇を予期し北進せる我が部隊は、午前九時木立に到着す。
此の時部隊長の知り得たる情況左の如し。
敵の先頭は機関銃小隊を有する約二百名の兵力にして、午前九時頃小滝に到着小滝台を南進せんとす。
(演習地付近図省略)
(学校・第二六)