新しい教育制度の発足

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昭和二十一年四月七日「第一次アメリカ教育使節団報告書」が発表され、民主主義教育思想の理念が述べられ、日本の教育改革の画期的提案が勧告されたのである。
  一、教育目的の自由主義化と個人主義化。
  二、そのための教育課程の全面的改定。
  三、国字の徹底的改良とローマ字の採用。
  四、教育行政の地方分権と公選制行政機関の創設。
  五、単線型、無月謝、男女共学を原則とする六・三・三制の樹立。
  六、詰め込み主義的、画一主義的教授法の改善と教員養成制度の改善。
 この報告書に基づいて、政府は内閣に「教育刷新委員会」を設定し、教育基本法の策定と六・三制の実施にとりかかったのである。
 昭和二十二年三月三十一日、「教育基本法」(教育の根本理念)が制定され、さらに「学校教育法」(学校の制度)、「教育委員会法」(昭和二十三年七月十五日教育行政制度)「社会教育法」(昭和二十四年六月十日)等の一連の法体系が整備され、戦後の民主化と世界平和へ向けての我が国の教育理念が明確に表明されたのである。
 これにより、義務教育年限は九か年となり、いわゆる六・三・三・四制の学校制度が実施されたのである。第1図は、新学校制度への移行過程を表わしたものである。
第1図 学制移行過程
昭和二一年度昭和二二年度昭和二三年度昭和二四年度昭和二五年度昭和二六年度
・学校教育法施行・満一四歳の属する学年末まで義務就学・満一五歳の属する学年末まで義務就学に新制中学校完成・今年度末をもって旧制中等学校廃止
・満一三歳の属する学年末まで義務就学(昭二三政令第七九号)(施行規則第九〇条の三)
(学校教育法附則第九六条)・今年度末をもって青年学校廃止(施行規則第九〇条の二)
・新制高校発足