昭和初期の社会教育

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社会教育に関係ある機関並びに施設として、
先ず少年少女を対象とする社会教育運動として少年団があり、一般青年の修養施設として男女青年団体、其教育機関として実業補修学校並に青年訓練所がある。修養に関係ある成人団体として戸主会、婦人会等、其教育施設として成人講座、婦人講座、或は労務者講座等がある。更に社会教育の重要機関として教化団体、図書館、博物館並に教育的観覧施設のある事は何人も知るところなるが、其他一般公衆を対象とするものに通俗講演並に講習、体育運動、活動写真、ラジオ放送、民衆娯楽等があり、主として青少年を対象とするものに職業指導、育英事業等があり之等に対して社会教育関係者が完全なる注意を払うべきは当然であるが更に社会教育は一面学校教育並に社会事業と密接不離なる関係を有するものであって其点より見て幼児養護機関としての幼稚園、托児所、少年保護機関としての感化院、学校を中心とせる両親教育等之等が何れも社会教育上より見るも忽諸に附すべからざる重要なる施設である。

 以上のように文部省社会教育局は、昭和七年五月に「社会教育委員の設置に就て」の通達のなかで論じている(大田原・第八九)。