「社会教育法」による社会教育委員会は、委員の定数三〇名(三五名以内)をもって組織され、隔月に会議が開かれ、社会教育全般についての計画・調査等がなされていた。
昭和三十二年度の重点施策は 一、社会教育体制の強化 二、青少年教育の振興 三、成人教育の振興 四、新生活運動の推進 五、視聴覚教育の振興 六、社会体育の振興 七、文化活動の推進 等の七項目をあげ、社会教育活動を行っている。社会教育の中核である公民館は並列型をとり、各地区に本館(五館)をおき、前記の重点事項に基づいて細部計画をたて、地域住民を対象として活動を行っており、予算等も各館ごとに計上している。そして公民館運営審議会委員は、三〇名以内をもって各館ごとに組織されていたのである。
各館とも地域に適応した分館活動に重点をおき、小集団学習の振興により、地域の末端まで侵透するよう実施されていたのであった。青年学級等も各館ごとに開かれており、それぞれ地域に応じた学級を経営している。
当時の行事施行状況をみてみると、次のとおりである。
講座 四六回、講演会 二二回、映画演劇 六三回、その他 三〇回。
なお主な社会教育団体は次のとおりである。
大田原市婦人連絡協議会 会員数二、八九五人。五地区婦人会正・副会長以下五名をもって連絡協議会をつくり、全市的な行事について打合せを行い、実施している。
大田原市青年団連絡協議会 会員八一六名。五地区団員が組織し、文化・体育・家政・産業・広報等に分け活動している。
大田原市体育協会 会員二五〇名。体育の振興を目的とし、一三部門よりなり、市内一本で組織され、各部それぞれ行事を行って予選を実施し、部大会・県大会等に出場する選手を決定している。
婦人会 会員二、八九五名。市内五地区にそれぞれの婦人会あり、各々は地域に即応した活動、婦人の教養、新生活運動推進等をめざして活動している。
実取婦人学級(昭和35年代)
青年団 会員一、一二三名。青年みずからの手により、相互的教養を高め、親睦・融和・研究啓発を図り、特に産業の振興に努力点を置き、市の発展をめざして運営されている。
大田原文化協会 会員四五名。戦後の混乱せる社会に、文化的息吹をもり上らせるため組織され、県下初の夏期大学を開校し、或は音楽・美術・文芸等にわたり、芸術祭の中核となって活躍する等、公民館の側面的役割を果たしている。
ボーイスカウト第二大隊 隊員四六名。那須一四隊として昭和二十九年発足、中学生を中心としてBS精神の涵養につとめている。
若妻会 会員三〇〇名。地区ごとに計五団体。婦人会と協力し、若妻の一般教養を高める事を目的とし、諸講習会・講演会等を催し、また相互の親睦を図っている。
子供会 二三団体。各部落に子供会を組織し、校外生活の指導を目的として、自主的に運営されている。
(「市勢要覧」昭和三二年)