社会教育の実際

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昭和五十年度の社会教育の基本方針並びに重点施策は、社会教育委員会から答申を受けて方向づけがなされた。主なるものは次のとおりである。
基本方針の全文は、
 
 社会教育のねらいは、市民が自主的精神にみちた心身ともに健康で人間性豊かな社会の形成者となるため、実生活に即した文化的教養を高めるような環境を醸成し整備することにある。
 このような見地から、社会教育・社会体育施設を整備し、社会教育指導体制の強化を図るとともに、あわせて社会教育活動の充実、文化財の保護、スポーツ活動の振興、市民憲章の推進につとめ、生涯教育としての各時期に必要な社会教育活動を計画的に展開し、心身ともに健全な人づくりに努力する。

(「昭和五〇年度教育要覧」大田原市教育委員会)

 重点施策としては、「青少年教育の充実」をとりあげ、次の具体的事項を実施することになった。
 一、青少年団体の育成と指導者の養成
 二、健全な家庭づくりと環境の浄化
 三、少年指導センターの充実
 四、学校・諸機関・各種団体の綿密なる連絡提携
 活動概況は、児童生徒の健全育成、子ども会の活動を活発に推進するために、指導者の育成として、リーダー講習会・育成会員研修会・ボーイ・ガールスカウト隊員研修会・青年団員研修会・青年リーダー教室・青年海外派遣(栃木県青年の船、訪問先フィリピン共和国)・親と子の対話集会・青少年の総合的な相談及び指導活動・篤行・善行児童生徒表彰・青少年移動音楽鑑賞教室等が開催された。
 婦人会等においては、明るい家庭、地域社会をつくるための学習会の組織活動を通じて、社会教育の実践活動を推進、新生活運動の強力な運動が展開されたのである。
 昭和五十年度の公民館運営方針は、市社会教育基本方針に基づき、市民が自主的かつ積極的に学習が行われるよう、環境条件の整備に努め、特に、青少年育成という観点から、青少年教育の充実をはかり、広く社会教育指導者の育成に努め、自治公民館活動の促進をはかることを基本方針に定め、重点目標として、青少年教育の充実がとりあげられ、次の五項目が方向づけられたのである。
 一、青年学級の内容充実をはかる
 二、青年団組織の確立をはかる
 三、子ども会育成団体の育成と自主活動の促進をはかる
 四、小集団・グループの育成をはかる
 五、青少年団体指導者の育成をはかる
 なお、努力目標として
 一、成人教育の充実に努める
 二、公民館活動の充実に努める
 三、視聴覚教育の振興に努める
 四、文化の振興に努める
 五、社会体育の振興に努める
 六、市民憲章の推進に努める
 市教育委員会は、公民館運営審議会から答申を受けてこのような運営方針を決められたのである。昭和五十年の活動概況は次のようである。
市民学校 二四コース、家庭教育学校 一六学級、婦人学級 一七学級、青年学級 六学級、高齢者教育 五学級、成人学級 三学級、若妻学級 二学級、職場学級 二学級、市民憲章の常時啓蒙

 その他、地区文化祭や体育祭・各種球技大会・花いっぱいコンクール・はたちのつどい・市民学校作品展・市民芸能大会・ユネスコ子ども学級など多彩な事業を展開して、市民の教養向上に資している。年間利用者は四万人を数え、市民一人が一回という、市民皆利用に近づこうという実を挙げている。
 昭和五十年度の社会体育重点施策は、健康で明るく豊かな市民生活を形成するために、市民が各自の適性と能力に応じたスポーツ・リクリェーションに、みずからすすんでいつでも気軽に参加し、親しめる機会を与え、それによって体力の増進を図ることを目標としている。このための条件整備として、体育施設の整備・充実につとめ、組織の充実と指導者の育成とともに、幅広い体育行事の拡充につとめると定められ、次の五項目が示されたのである。
 一、体育施設の整備と管理運営の充実を図る
 二、社会体育指導者の育成と指導体制の確立
 三、地域住民スポーツ活動振興指定事業の推進
 四、体育スポーツ行事の拡充
 五、体育団体の育成と職域スポーツの普及奨励
 なお、昭和五十年度の活動概況は次のとおりである。
 各種競技大会参加回数 四九回、参加延人員 六、九一五人。
 各種講習会並びに指導会等 一五回、参加延人員 三〇三人。
 体育施設利用回数 一、三七二回、利用者数 八五、〇八九人。
 年間利用者は八五、〇〇〇人を超え、市民一人が二回体育施設を利用したことになり、市民の心身の健全化を図るために実を挙げている。
 
   社会体育施設の現況
  大田原市体育館、武道館
   大田原市本町一~一
   昭和四十六年四月建設
   体育館一、一七〇平方メートル、剣道場八〇畳、柔道場五〇畳。
  大田原市弓道場
   大田原市美原町三、〇八〇~五
   昭和四十八年五月建設
   六人立(一二〇平方メートル)、あづち四・四平方メートル、
  大田原市運動公園(総面積一六五ヘクタール)
大田原市美原町三、四九六
野球場(昭二六・四完成)面積一八、一〇〇平方メートル、中堅一一六メートル、両翼九四メートル。
補助球場(昭二九・五完成)面積一一、一九〇平方メートル、中堅九〇メートル、三塁側九九メートル、一塁側九〇メートル。
陸上競技場(昭二八・六完成)面積二六、〇九〇平方メートル、トラック八コース、第三種公認陸上競技場。
庭球場(昭二九・七完成)、面積六、一二〇平方メートル、コート六面。
プール(昭五三・七改修新設)面積四、四三二平方メートル、長五〇メートル、幅二〇メートル、九コース。水深一、三~一、五メートル。
児童プール変形一、〇五〇平方メートル。
スケート場(昭四六・一二完成)面積四、九八四平方メートル。二〇〇×九メートル。

  大田原小学校校庭夜間照明施設
   昭和四十九年三月完成、
   夜間照明六基、一四・四KW。
  大田原市体育研修センター
   大田原市運動公園内
   昭和五十二年四月完成、
鉄筋コンクリート二階建、六七三・九平方メートル、研修室・会議室・体育相談室・トレーニング室・更衣室・シャワー室等。

(昭五四・八現在)

 昭和五十年度の社会教育団体は、次のとおりである。
 市内子ども会 一二二団体、会員数四、七七六名。
 市内子ども育成会 一二二団体、会員数三、九〇五名。
 ボーイスカウト大田原第三団 会員数九二名、隊集会一七八回。
 ガールスカウト栃木第二三団 会員数三五名、隊集会五二回。
 ボーイ・ガールスカウト育成会 一団体、会員一七九名。
 スポーツ少年団本部 団数九四団、団員三、〇七四名。
 大田原市青年連絡会 五団体、団員数三四七名。
 大田原市青少年育成団体 五団体
 大田原市婦人会 五団体、会員数二、二六五名。
 大田原市PTA連絡協議会 一九団体、会員数五、九九三名。
 大田原ユネスコ協会 会員数五六名、特別会員一一団体。
大田原市体育協会 二三部門(陸上競技・ソフト・野球・テニス・卓球・サッカー・バレー・弓道・剣道・柔道・相撲・水泳・スキー・スケート・山岳・ハイキング・バスケット・射撃・バトミントン・サイクリング・空手・オリエンテーリング・ラグビー)、会員数二、四五二人。昭和三十四年度よりの主なる成績、那須地区体育祭優勝六回、県民体育祭優勝七回。