二 ミヤコタナゴ

1352 ~ 1352
 大田原市の魚、昭和四十九年十一月一日指定。コイ科タナゴ属のわが国特産の種である。かつては関東平野の細流に分布していたが、現在は本県の本市親園地区・黒羽町・佐野市堀米町地区のほか、埼玉県及び千葉県等の一部に生息することが知られているだけである。雄の婚姻色は、背部が青緑色に紫、腹部に朱色が配されているので、地元ではオシャラクブナと呼んでいる。藻類を主とした雑食性で、一~二年で、三~四センチメートルに成長して親魚になる。産卵期になると、雌は婚姻色はあらわさないが、しりびれの前方に細長い産卵管を伸ばし、これを生きている「マツカサカイ」(二枚貝)のエラの中へ差し込んで産卵する。県では滝岡の岡和久堀地内の面積三、八六〇平方メートルを自然保護地区として指定し、ミヤコタナゴ保存会(会長大島博)の方々に管理保護を委託している。