一二 イトヨ生息地

1361 ~ 1361
 イトヨ科(俗名とげ魚)
 この魚の種類は、イトヨとトミヨの二種があって、春季河口より川を溯って産卵し、幼魚は海に下って育つ習性を有している。
 石川・山形・新潟の各県に棲息する。大きさは三センチメートル余、本市のイトヨは、幼魚・成魚ともにこの河川中に常時棲息するという、封土的特異性があるので殊に珍しい。
 四月~六月の産卵期になると雄は鮮紅色となり、動作が活発になり雌体にふれる。又このころ流れのゆるやかな泥土質の場所及び水性植物の根茎部にチクワ型の巣をつくり、雄は雌をこの巣の中に入れて産卵させる。産卵が終ると、巣の片方に蓋をして雄は外敵を監視して目は燐光を放ち、背の三本刺を倒立させて巣の廻りを警戒する。