ほぼ南北に走る高さ二・五メートルほどの土堤の上にあり、西側は土がくずれて幹の中央まで達する穴になっている。太い根が四方に露出し、南側のそれはほとんどくさっている。
幹は地上二・五メートルまでは根元にむかい太くなり、多数のコブを有する。地上八メートル付近までは枝がなく、それより上四方に枝を広げ半球形の形となる。東側と、南東側の直上する太い幹は枯死しているが、現在も樹勢旺盛で堂々とした姿である。町の人々は、このケヤキの葉の茂り方のいかんによって、その年の収穫の豊凶を占っている。
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佐久山のケヤキ
一三 佐久山のケヤキ