この舎利塔は、元禄七年(一六九四)願主は前記七重塔と同じく順海上人で、舎利塔に五重屋蓋を付加した珍しい形式で、基礎も塔も安山岩製である。基礎は一辺を一・四三メートルで、方形プランの上にもう一段の基礎を加え、その上に舎利塔をのせ、更に五重屋蓋をのせ、九輪を欠いた相輪部を頂いている。これらのうち、塔身と塔心とは円形プランをもち、殊に塔身は五輪の水輪形(上下を切った円形)をなしている。地上現存部の全高四・六三メートルあり、当地域の古塔中第二位の規模をもち、様式としても珍しいものであり、製作は優秀である。塔身に願文があり横に回りながら一行に
奉納舎利塔 二世安楽祈所
方台には次のように刻されている。
干時元禄七甲戍年
九月十五日祐玄
順海上人