二〇 涅槃図 一幅

1366 ~ 1366
 竜泉寺所蔵の涅槃図は、紙本着色縦二四四センチメートル、横一四六センチメートルで、唐絵像枯香写、享保辛亥年(一七三一)二月十五日と銘があり江戸時代中期の作である。
 この図の特徴は色調よく描けており、菩薩等人物の表情悲しみを現わしているのみで、涙を流していないことと、釈尊の足の平に宝輪が描かれていないことであり、また菩薩等の人物の衣服が禅僧のものであるなど、特異なものである。竜泉寺は大田原藩大田原家累世の祈願寺である。