刈切地蔵堂内に安置されている阿弥陀如来座像、地蔵菩薩座像、不動明王立像の三躯は、いずれも石仏である。
これらの石仏は台座より宝冠上部までの高さは、阿弥陀如来座像が一〇〇センチメートル、地蔵菩薩座像が七〇センチメートル、不動明王立像が同じく七〇センチメートルである。その製作年代については阿弥陀如来像背面に寛文九年(一六六九)十月十七日と刻銘されているが作者不明である。他の二躯は年代作者不明であるが、その様式からみて同時期の作品と思われる。
この地蔵尊は大田原城の四方固めの一つ、城南の地蔵から南地蔵と呼ばれ、後七軒町講中において雨ごいの地蔵と称し、旱ばつのおりにはこの地蔵を奉体し、川に渡し雨ごいの祈祷を行ったと古老が伝えている。