二六 屋台

1369 ~ 1370
 この屋台は江戸時代末期嘉永二年(一八四九)九月、この年の温泉神社(大田原神社)の祭礼年番町であった上町によって製作されたもので、作者は不明である。
 大きさは間口二・一メートル、奥行三・九五メートル、高さ三・五五メートルでケヤキ造りである。彫刻は花鳥・唐獅子等の精巧な技法で、木彫りの素朴な味わいは生き生きとしている。
 この屋台の製作にあたって、大田原藩では華美に作らないよう指示したが、町民は差し止めの命令をも聞き入れず製作したので、世話人一〇名は役人から手錠を申し付けられたとの記録が残されている。

屋台