南金丸那須神社の神賑神事の太々神楽の起源について、口伝は平安朝末期に遡る。文治元年(一一八五)那須与一宗隆屋島の戦功により、那須の総領となるや、同三年(一一八七)土佐杉をもって、社殿を再建し、社領を寄進、京都より神職小泉出雲守並びに伶人をもとめて祭祀を司らしめた。例祭は最も荘厳を極め、神前に諸々社人、伶人舞楽を奉して神意を慰め奉ったことに始まるという。以来那須氏に代って大関氏と累世伝わって今日に至っている。始めは三六座であったが、現在は次の一〇座が毎年三月十五日に奉納されている。
一、三筒翁
二、天狐(コ)
三、千箭(ノリ)
四、薙舞
五、天の岩屋戸
六、剣舞
七、八俣大蛇(ヤマタノオロチ)退治
八、湯探(サグリ)
九、種まき
一〇、海空遊行