四三 大田原の盆おどり唄

1386 ~ 1387
 お盆の風物詩である盆踊り唄は各地に残されているが、大田原の盆踊り唄の起源についてはつまびらかではない。発祥の地は下町(中央二丁目)薬師堂の庭ともいわれている。
 踊りは田舎風の躍動的で、輪の動きは、左回り、手ばたきは二つである。楽器は太鼓の代りに樽を使い、笛との二種類で、樽は側面を小気味よくたたき、音色にするどさがあり、唄の節回しも田舎節から都節に変り、音楽的に統一性を欠くが、一種独特で他にはみられない節回しである。
 大田原の盆踊り唄は残り少ないふるさとの盆踊り唄の一つである。
  那須の与一は三国一の男美男で旗頭
  揃うた揃うたよ踊り子が揃うた稲の出穂よりよく揃うた
  樽をたたいて踊り子寄せてしなの良い子は嫁に取る
  お月様さえ夜遊びなさるわしの夜遊び無理もない
  那須のお山に煙りは絶えぬわしの胸には苦が絶えぬ
  親の意見と茄子の花は千に一つの無駄はない
  お月様のようなまんまる顔の心平らな嫁ほしい
  切れた草履も粗末にするなもとを正せば米の親
  冴えた月夜にうらみはないが島田隠すような雲欲しい
  月の出頃と約束したに月ははや出て森の蔭

大田原市無形民俗文化財 大田原盆踊り