四四 天念仏 長泉寺

1388 ~ 1389
 天念仏は天祭又は天道念仏ともいわれ、長泉寺の前庭において、五年ごとの八月七日を中心に前後三日間、花園の若衆によって行われる。
 高さ五メートルほどの四本柱を立て、頂上に梵天を中心に大日如来を安置、太鼓所を設け、四隅に小梵天を配して、太鼓に笛・鉦を交えて三日間打ち続けて念仏を捧げ、五穀豊穣・家内安全・息災延命などを祈願する行事である。
 起源は嘉永年間(一八四八~一八五四)に、黒羽町余瀬から法式作法を受けつぎ始められたと伝えられる。もともとは雨ごいの行事であったが、のち現在のように変ったといわれる。
 初日早朝、若者が長泉寺において身仕度をととのえ、寺の裏側に流れる百村川で水ごりをとり、身を浄め、太鼓所において、住職を中心に般若心経一巻を誦して開始する。最終日の夕刻、三日間連続の打鼓念仏を終り、結願法楽を捧げた後、全員で梵天その他のものをもち、やぐらの周辺を鉦・太鼓をならしながら回り行事を終了する。
 天念仏囃方順序
  一、平
  二、御山
  三、岡崎
  四、速平(ハヤビラ)
  五、速御山
  六、天の岩戸
  七、二遍返し
  八、数え唄
  九、十二神楽
 一〇、井然(セイゼン)
 一一、吹返し
 一二、野呂間
 一三、莫迦
 一四、七調面
 一五、打切