天念仏は天祭又は天道念仏ともいわれ、長泉寺の前庭において、五年ごとの八月七日を中心に前後三日間、花園の若衆によって行われる。
高さ五メートルほどの四本柱を立て、頂上に梵天を中心に大日如来を安置、太鼓所を設け、四隅に小梵天を配して、太鼓に笛・鉦を交えて三日間打ち続けて念仏を捧げ、五穀豊穣・家内安全・息災延命などを祈願する行事である。
起源は嘉永年間(一八四八~一八五四)に、黒羽町余瀬から法式作法を受けつぎ始められたと伝えられる。もともとは雨ごいの行事であったが、のち現在のように変ったといわれる。
初日早朝、若者が長泉寺において身仕度をととのえ、寺の裏側に流れる百村川で水ごりをとり、身を浄め、太鼓所において、住職を中心に般若心経一巻を誦して開始する。最終日の夕刻、三日間連続の打鼓念仏を終り、結願法楽を捧げた後、全員で梵天その他のものをもち、やぐらの周辺を鉦・太鼓をならしながら回り行事を終了する。
天念仏囃方順序
一、平
二、御山
三、岡崎
四、速平(ハヤビラ)
五、速御山
六、天の岩戸
七、二遍返し
八、数え唄
九、十二神楽
一〇、井然(セイゼン)
一一、吹返し
一二、野呂間
一三、莫迦
一四、七調面
一五、打切