四六 草刈り唄

1390 ~ 1391
 草を馬の飼料にしたり、肥料にしたりするため、鎌で草を刈る時の唄で、何時のころより唄い始められたかは明らかでない。ただ単に伝え唄われてきたものであって、どれをもって正調とするか確かなものでない。したがって、唄う人達の声や節回しによって、多少の差があるようである。
 古老たちの話によると、五本木・薄葉あたりの雑草地帯で、朝早くから草を刈る若者たちが、さかんに声を競ったものだという。
  一、ハアー朝の出がけにハアーどの山見ても
    ヨイ ハイ ハイ
    雲のかからぬハアー山はないヨイー
    (以下囃子ことば同じ)
  一、かた手に鎌もち かた手に砥石
    浮気でとぐ気か とぎつかぬ
  一、二つケ室から
    ひにちの便り
    いかずばなるまい
    草刈りに
  一、那須野ケ原へと
    大蛇がでても
    あのや(野)草刈
    やめられぬ
  一、草刈り負けたら
    七ぼらたたけ
    それでも負けたら
    鎌をとげ
  一、青木(オオキ)若目田
    沼 小種島
    なぜか滝岡
    森のかげ

大田原市無形文化財 親園草刈唄