明治については「栃木県統計書」「火災ニ罹リシ家」の資料をもとに、明治二十二年（一八八九）、同二十三年の火災件数を、本市に関係する旧大田原町及び大田原警察署管内の火災件数を抜粋して掲載する。
　大正期については、大田原警察署がまとめた管内の町村より本市に関係する五か町村をとり上げたものである（金田・第一一一）。
　明治二十二年、同二十三年の二か年間の火災の原因は失火・放火・不審火及び雷火の三区分で統計上処理されている。大田原については、二か年で火災は一四件発生し、全焼が七件となっている。失火の原因については明らかでない。
　大正年間に至っては、大田原町・佐久山町・親園村・金田村・野崎村の旧五か町村の火災の原因は失火によるものが多い。失火の原因については、灰・火鉢・残火・弄火・燐寸（マッチ）・雷火・汽車火等が多い。以上のことについての火災件数および火災度数調べを、「栃木県統計書」より、また明治二十二年～二十三年、金田第一一一号の消防関係書類より、さらに明治四十四年（一九一一）～大正九年（一九二〇）の火災度数、および大正七年～同九年の三か年の大田原市に関係する旧町村の火災原因度数等をあげると第19～21表のとおりである。