大田山双葉会と教化活動

1506 ~ 1508
本会は、大正十一年(一九二二)八月十日に社会事業を推進する目的で設立されたもので、黒田白純の個人経営により発足したものである。会長に黒田白純、他に主事三名をもって組織されていたのである。
 沿革の大略については、「社会事業調査表」(大田原・第二九)の中に次のように記してある。
 
「大正十一年会長黒田白純師大田山光真寺住職トナリテヨリ寺院中心ノ社会事業施設ヲ営ナマントシ児童保護施設・青年指導施設・一般社会事業施設ノ三事業ヲ経営シ、大正十三年、郡費補助・本山補助金ヲ受ケ爾来県費・町費・本山費ノ補助ヲ受ケ経営シツヽアルナリ」

 経営の状況については、児童保護事業として、児童遊園・こども会・林間学校の開設をしている。青年指導として教養の向上を図るために双葉図書館、夜学などを開き、一般社会事業として、人事相談・困窮者の施療を行ったのである。
 なお、双葉会の概要について、次のように記されている。
 
  位置 那須郡大田原町二四一八
  土地の面積 四百二十坪
  建物 間口五間 奥行二間半
  経費 一、一二〇円
      主な収入
        (醵金四〇〇円、寄付金二四〇円、補助金三〇〇円その他)
(大田原・第二九)

 なお、当時、大田原町では、社会事業として次のような予算を計上していたのである。
 
   社会事業費調(昭和七年度予算額)
  窮民救助費
   自宅給与及災害救助費   六八四円
   其の他           一六円
  医療的保護費
  病院及療養所費       八〇円
        (以下略)
(大田原・第二九)