扇状地の地形は400km2にわたる広大な複合扇状地で,北は那須火山群,西は主に第三紀火成岩類からなる下野山地および高原火山,東は中,古生界からなる八溝・鶏足山地,南は喜連川丘陵で画され,北および東縁は那珂川,南縁は箒川で限られている。
扇状地内には熊川,蛇尾川の通常水無川の流路と,これらにほぼ平行する数列の分離丘陵がある。
湯坂の位置する扇端部は扇央部に続く下流部分で,開析して形成された低い面が広く発達する。分離丘陵として那須野面より10m内外高く,ほぼ平坦な金丸面が広く分布し,湯坂地区はその一部を占めている。(2図―1)
湯坂を含めた扇端部,第四紀の地質は2図―2のように示される。(提橋昇)
2図 那須野が原扇端部の地形
(松井原図による)