第4類(18・19・26・33)
口頚部がゆるく外反する深鉢形。口唇部にS字文,ないしはそれをデフォルメした把手をとりつける。26が代表例。2本の隆線を口縁部に廻らせて凸帯をつくり,S字文をとりつける。33は沈線で屈折する文様を施すが,口頚部と胴部文様が分化していない。この類は器形と文様構成の特徴から最も初現的な大木8a式の一群と考えられる。
第5類(14~17・20・34)
頚部でくびれ肩が張る甕形土器で,肩の位置に主体的に文様をつけるもの。34が代表例。口縁部の把手に対応して胴下半を垂線で縦割りしている。文様は渦巻文をモチーフとして横位に展開するが,以下の器面を縦割りするものとしないものとがあるので本当は分けて扱うべきものであろう。地文に,間隔をあけた縦転しの縄文をつけ,沈線は阿玉台式の残像としての結節沈線が多用される。16は副次的な文様であるワラビ手文が見える。この類は器形と文様構成とから,前出の第4類と性格を異にするが,阿玉台式の名残りをとどめた〝残影〟型接触様式を含む意味で,両者は共に同じく初現的段階に位置づけられる土器と考えられる。