2.T2出土の土器

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 L字状に設定したトレンチをA,B区としたが,B区の先端部に第2号住居址が見つかった。しかしながらプラン確認がなく,とり上げた土器は「T2―B拡(住居址想定部分を拡張)」と注記して一括しているため土器の遺構に基づく分離は困難であるが,本項ではそれを中心に抽出した。それらは,4・7・10・21・22(うち4はA区出土)と,35~45・78(うち39はA区出土)とである。
 大別すると
 阿玉台式=4・7・10,35~39・41・42,78
 大木8a式=40・43・44
 中期末?=21・45
 後期初頭=22

 になり,中期末から後期初頭の土器が混在している。抽出資料に阿玉台式が多いことは証左にはならぬとしても,大木8a式の破片の特徴はこれに伴出し得ることを示しているので,第2号住居址は阿玉台期末の所産と推定しておきたい。従って,提出する土器群は共伴の立証はできないので,特徴に基いて分類し若干の考察を加えてみたい。