当土壙から出土した土器は,28・46~48を抽出して提示した。
46・47は土壙内部から出土。特に46は壙底部にあった。2個体とも阿玉台式で,47は勝坂式の要素を含み最終段階の土器である。48は開口部で出土したもので,厳密には投棄の時間差が考えられるが,28の阿玉台式土器と混在して出土しているところから共伴すると認められる土器である。口頚部に渦巻文をモチーフとする文様を沈線(部分は結節)で描くが,この文様は甕形土器の胴部文様に一般的に施されるもので,この種のキャリパー状器形の土器に施されるのは珍らしい。この三点は共伴すると判断できるものである。