大木8a式(69~73・81~84)

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 第5類(69~73・82・84)
 口頚部が外反し,胴部以下が円筒状となる器形。くびれ部に区画線を廻らせて口頚部と胴部文様を分割する。82が代表例で,器面の4単位縦割りが普通だが,84のような甕形は単位割りがはっきりしない。71の縄文施文が特徴的で,原体を等間隔に縦転しして無文部を併列させる。この地文は多用されるが,ベタ転しの場合も少くないので,絶対的な規制によるものとはいえないものの,大木8a式における先駆的技法であることは認めてよい。
 第6類(81・83)
 口頚部がゆるく開く深鉢形で,口縁部に2本の隆線を廻らせて凸帯部をつくり出し,S字文をとりつける。器面は地文のみで文様を描かない。大木8a式における初現的段階の土器であろう。本類の土器の文様構成は凸帯部の幅がせまく変則的ではあるが,東北直系に属するグループと考える。