一 哺乳動物

80 ~ 80

 空中生活 コウモリ キクガシラコウモリ
 樹上性  ムササビ リス
 地上性  ノウサギ タヌキ キツネ イノシシ
 半地下性 ハタネズミ
 半水性  イタチ ドブネズミ
 家屋   イエネズミ クマネズミ
 地下性  モグラ アナグマ

 哺乳類は昭和初期に比較すると、ネズミ類は急速に繁殖しているが、アナグマ、イタチを初め全般に減少し、現在では当時の一割に満たない。
 八溝山には大正五年頃(一九一五)まで八溝シカが生息し、大きな角・鹿皮、等残つているが、現在は生息していない。アナグマも昭和二十年頃(一九四五)まで木佐美・寺宿あたりまでいたが、最近はこの辺に見えない。八溝山には多少生息する。
 迷蝶迷鳥と言うことばがあるが、昭和二十八年(一九五三)の大凶作の年、那須山より熊が那珂川を渡り大輪方面に迷いこみ大騒ぎとなつたことがある。この年は、春から天候不順で、那須山にも食糧が乏しくなり、迷い込んだと言われていた。
 明治初期までは、山里にもイノシシが生息し、山沢の水田(当時の湿田は胸まで入る程泥田であつた。)このような水田は昭和二十五年(一九五〇)頃までありこの湿田に入り、はい上がれないでいる猪を、村人が板を敷いたりハシゴをかけて逃がしてやったことを、古老の話に聞いたことがある。当時いかに動物がのんびり過ごしていたかが窺われる。