下野の式内社に二荒神社など十一社あったが那須郡内には三和神社(小川町)、健武山神社(馬頭町)、温泉神社(那須町)があげられている。黒羽地内の古社に温泉神社(大宮)がある。現在中野内に鎮座してあるが、古くは大三輪山(高館)に祀られていたという。この地は神野の地で大宮はこのみちのくの関門に立地していた。
七世紀後半に薬師寺が建立され、天平十三年(七四一)には国分寺も建立された。郡内では古代の廃寺跡に浄法寺廃寺跡がある。
このころ山岳仏教もさかんであった。慈覚大師は天台宗の基礎を築いた。地元の八溝山・御亭山なども霊山として登拝がみられたという。古代から中世にかけてひとびとの信仰心は厚かったという。