不動院裏遺跡は、黒羽町久野又上の台にあり、雲井氏住職の不動院よりその裏手の畑地一帯に及ぶ、縄文中・後期・土師期(古墳時代)の遺跡である。本遺跡は八溝山地の西端に位置し、松葉川の開いた平地を東・南に臨む、水田よりの比高約十メートルの段丘上にある。
昭和四十八年、黒羽高校社会部が田代寛氏の指導のもとに発掘調査を行い、縄文中期の袋状土〓(壙)十七基、土師器の竪穴式住居二基などを発見した。
縄文中期の袋状土〓(壙)は深さ約六十センチメートル、口部径約百二十センチメートル、底部径百八十~二百二十センチメートルであり、不整円形の袋状を呈する。
出土土器は、阿玉台式(おだまだいしき)土器、加曽利E式土器、堀之内式土器が出土し、不動院に保管されている。
文献 県立黒羽高等学校社会部・田代寛「不動院裏遺跡」