本遺跡は八溝山地の西端部の山地上にあり、松葉川と野上川にはさまれた開析平地を北・西・南に臨む西側斜面に位置する。
8H遺跡は、昭和四十八年、黒羽高校社会部が田代寛氏の指導のもとに調査し、縄文中期の住居跡一、袋状土〓(壙)十が検出され、阿玉台式土器、加曽利EⅠ式土器が完形土器として十五個、破片多数を発見している。なおこれらの土器は、ほとんど袋状土〓(壙)よりの出土である。
9H遺跡は、昭和四十九年同部の手により発掘調査がなされ、縄文中期加曽利E式期の住居跡三、袋状土〓(壙)三十数か所、多数の土器が発見されている。
これら多数の袋状土〓(壙)は、前述のごとく貯蔵庫であろうことを考えると、八溝山地での植物・木の実の採集状況を強くうかがいしることができよう。
文献 黒羽高校社会部研究報告第四集
「浅香内8H遺跡」
「浅香内8H遺跡」