四 鉢木遺跡

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 鉢木遺跡は、黒羽町前田鉢木にある。本遺跡は、前述した浅香内遺跡の西部の現在水田中にあり、松葉川と野上川にはさまれた河岸段丘の突端近くの中央部を占めている。松葉川よりの比高約十メートルである。
 本遺跡は、昭和四十一年、耕地整理・開田化の計画にしたがって、三か所の発掘調査がなされた。調査地点は、遺跡地西部のTⅠ・北東部のTⅡ、中央部のTⅢである。
 TⅠは土師期住居跡である。

鉢木遺跡発掘状況
(T-Ⅰ土師期住居跡)


T-Ⅱ袋状土壙

 TⅡにおいては、袋状土〓(壙)四を含む十の土〓(壙)が検出された。時期は縄文中期から後期初頭のものであり、出土土器は加曽利EⅡ式、堀之内Ⅰ式土器である。
TⅢにおいては、住居跡と石囲炉が検出されたが、住居床面の破壊がひどく規模などは不明である。出土土器は、後期堀之内式・称名寺式土器である。