(五) 後期

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 縄文時代後期における集落跡は中期に準じ考えられるが、住居は定形化がややくずれ、楕円形等のものや、柱穴の多くなるもの、また、壁部の比較的浅いものなどが見られる。
 また、特殊な例として、大田原市平林・真子遺跡にみられるような、扁平な河原石・または割石を床面の全面・また一部に敷きつめた、敷石住居なども発見されている。
 土器においては、精製土器と粗製土器の別が明瞭となる。精製土器とは、大変精緻に製作された土器であり、磨消縄文により幾何学的文様を構成している。また、器形も多種にわたり、甕・鉢・椀・注口・皿形・台付土器などがみられる。粗製土器とは、文様は沈線などによる格子目文などが主体で簡単であり、焼成も粗雑でもろい。器形も甕・深鉢がほとんどで、食料等の貯蔵にあてられたものであろう。
 本町における後期遺跡は十数か所を数えるが、その遺跡のほとんどが、中期遺跡と重複するため詳述は省略する。