(一) 銭室塚古墳

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 銭室塚古墳は、黒羽町北滝にあり、西に那珂川の流れをみる段丘上にあり、東は八溝山地の東端に位置する山地斜面に面する。現在は水田中に単独で存在するが、周囲が水田化される以前は、おそらくいくつかの小円墳をともなっていたものと考えられる。

銭室塚


銭室塚石室

 墳形は円墳であり、墳丘は二段築成の跡をよくとどめており、直径約二十六メートル、高さ四・五メートルを数え、葺石は河原石を全面にはりめぐらしたものと思われる。また現在は周囲の水田化によって認められないが周溝が存在したようである。
 内部主体は、横穴式石室であり、古墳南側に開口している。石室の全長は、約九メートル、玄室の長さ六・三五メートル、奥壁幅が一・二メートル、河原石の小口積みである。
 なお、周囲は和泉・鬼高期の集落跡であったろうと考えられる。