(五) 荘園

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 荘園制は、律令体制の矛盾の展開過程で生まれた貴族・寺社等の権門勢家による私的な大土地所有ならびにそれに基づく社会的関係をいう。これは八世紀後半から十六世紀末まで、約八世紀存在し、ほゞ全国的に散布した。
 初めは墾田を基盤とした自墾地型荘園と、班田農民の口分田や零細な開発地を寄進、買得などにより集積した荘園であったが、十世紀ころになると、中央の権門勢家に寄進して、その保護下に荘園の自己領有化を確実にしようとした者が増加した。
 延喜二年(九〇二)、新立と成立不分明の荘園の増加を規制するため整理をはかったが、効果はなく、荘園と公領の分離を促進することになった。
 土地の豪族も、それなりに私有地を増大していった。この頃、黒羽の『方(堅)田庄』などは、どのような支配関係にあったのであろうか。