3 寛文年中惣給人知行高所付

293 ~ 302
   惣給人 知行高 所付
 
 八百八拾五石       一学様
    葉瀬田  百弐拾三石五斗五升余
    簗瀬   九拾八石六斗六升余
    桧木沢  三百弐拾弐石九斗五升余
    水塩   五拾弐石壱斗余
    野上   三拾九石九斗八升余
    小滝   弐百四拾七石七斗弐升余
 
 弐百石          妙恵様
    八重俵  八拾六石壱斗八升余
    そり町  八拾弐石七升余
    くぬ木崎 三拾壱石七斗三升余
 
 五百石          浄法寺図書
    下深沢
 
 四百四拾八石       鹿子畑左内
    余瀬   三百四拾三石四斗壱升余
    北金丸  六拾弐石七斗五升余
    長倉   四拾壱石九斗弐升余
 
 四百石          稲沢宇右衛門
    稲沢   弐百六拾七石五斗六升余
    町田   八拾九石三斗六升余
    沼井   四拾三石六升余
 三百五拾石        滝田善右衛門
    杉渡土  九拾五石七斗八升余
    砂目   三拾九石五斗三升余
    沼井   百拾石七斗七升余
    大林   三拾三石五斗余
    山田内  五拾九石八斗六升余
    大柴田  拾石五斗三升余
 
 三百五拾石        興野権右衛門
    北金丸  百四拾九石五斗七升余
    古内   五拾四石八斗九升余
    関根   六拾六石八升余
    くぼ寺  四拾五石弐斗六升余
    いこノ内 拾五石八升余
    屋ツ   五石八斗壱升余
    大輪   拾三石弐斗八升余
 
 三百六石         松本八郎右衛門
    大わ須  弐百四拾石壱斗壱升余
    八塩   弐拾七石五斗八升余
    田中   三拾石八斗三升余
    前田   七石四斗六升余
 三百石          大沼助之丞
    棚橋   百九石八斗三升余
    くね下  百拾八石三斗五升余
    横道   三拾五石三斗弐升余
    はち木  六石五斗四升余
    鞁内   弐拾九石九斗四升余
 
 弐百九拾三石       矢野勘兵衛
    大塚   弐百拾四石弐斗七升余
    長貫   四拾八石九斗壱升余
    横道   弐拾九石八斗壱升余
 
 弐百五拾石        井上甚兵衛
    ひほ原  七拾六石九斗余
    中居   七拾七石壱斗余
    木佐美  三拾七石五斗七升余
    余瀬   三拾九石九斗弐升余
    八塩   七石八斗五升余
    前田   拾石六斗三升余
 
 弐百四拾石        津田光明寺
    余瀬   百四石壱升余
    田中   七拾六石九斗四升余
    前田   五拾九石四升余
 
 弐百弐拾五石       丸田与右衛門
    木立   百五拾石八斗九升余
    そり畠  三拾三石五斗三升余
    湯殿   拾九石六斗弐升余
    上ノ臺  拾五石六斗七升余
    前田   五石弐斗七升余
 
 弐百拾壱石        大久保弥一右衛門
    大久保  百九拾八石壱斗八升余
    前之内  拾弐石八斗弐升余
 
 弐百六石         猪苗代平七
    向宿   百八拾六石弐斗五升
    いも淵  拾九石七斗五升
 
 弐百六石         簗瀬太郎兵衛
    簗瀬   百七拾六石六斗弐升余
    はら田  拾八石四斗三升余
    寺宿   拾石九斗三升余
 
 弐百四石         大沼玄佐
    阿久津  九拾弐石弐斗四升余
    木佐美  四拾壱石五斗壱升余
    古内   四拾五石四斗九升余
    川中子  弐拾四石七斗四升余
 
 弐百弐石         風野五兵衛
    田嶋   八拾石壱斗
    は録内  七拾弐石九斗三升
    女鹿嶋  四拾八石九斗七升
 
 弐百壱石         瀬谷八郎兵衛
    一丁ノ木 四拾弐石三斗五升
    飯岡   七拾八石六斗九升余
    田中   弐拾三石七斗余
    前原   五拾六石弐斗四升余
 
 弐百石          芦野長右衛門
    青木
 
 弐百石          大谷正兵衛
    金九   八拾四石壱斗弐升余
    数ヶ室  四拾三石七斗弐升余
    くぬ木崎 四拾壱石九斗八升余
    前田   拾弐石壱斗七升余
    前之内  拾七石九斗八升余
 
 百七拾弐石        班目弥次兵衛
    五斗蒔  百弐拾七石七斗壱升余
    八塩   弐拾八石六斗七升余
    滝ノ口  拾五石六斗壱升
 
 百七拾弐石        桑嶋左近右衛門
    長倉   七拾九石三斗壱升余
    八反田  三拾弐石壱斗七升
    中ノ内  三拾七石壱斗六升余
    木佐美  弐拾三石三斗四升余
 
 百七拾壱石        大関六郎右衛門
    木佐美  九拾弐石四斗八升余
    八重俵  三拾石七斗四升余
    大久保  七石壱斗弐升余
    はち木  四拾石六斗四升余
 
 百五拾石         宇野又助
    磯上   九拾五石弐斗三升余
    木佐美  三拾九石六斗壱升余
    阿久津  八石九斗壱升余
    前田   六石弐斗三升余
 百五拾石         蜂巣源兵衛
    蜂巣   九拾九石八斗八升
    八塩   五拾石壱斗弐升
 
 百五拾石         益子又右衛門
    磯上   七拾五石三斗九升余
    古内   四拾壱石四斗弐升余
    八塩   弐拾壱石七斗九升余
    谷津   拾壱石三斗九升余
 
 百五拾石         川上権兵衛
    桜田
 
 百五拾石         金丸弥左衛門
    薄沢   四拾四石九斗三升余
    平ら   四拾石四斗三升余
    谷津   三拾八石六斗九升余
    円応寺  弐拾五石九斗三升余
 
 百五拾石         風野助右衛門
    奥沢   百四拾壱石八斗弐升余
    前田   八石壱斗八升余
 
 百五拾石         人見角右衛門
    蒔戸   百三石七斗四升余
    梶内   三拾六石弐斗八升余
    八塩   九石九斗七升余
 
 百五拾石        秋元与次兵衛
    南金丸  五拾壱石九斗弐升
    上ノ原  六拾四石八斗七升余
    田中   三拾三石弐斗余
 
 百五拾石         小野田弥内
    木佐美  百四拾三石七斗三升
    はち木  六石弐斗七升
 
 百五拾石         木佐美次郎右衛門
    八塩   百拾石弐升余
    ふつくね 弐拾四石九斗弐升余
    さる畑  拾五石五升余
 
 百五拾石         石原善兵衛
    久野股  百弐拾四石三斗弐升余
    善津   弐拾弐石四斗九升余
    はち木  三石壱斗八升
 百弐拾石         大関与五郎
    古内   五拾六石六斗四升余
    八塩   五拾石四斗余
    前田   拾弐石九斗五升余
 
 百石           矢野作左衛門
    前堀   四拾九石壱斗四升余
    薄沢   三拾石六斗八升余
    平ら   弐拾石壱斗七升余
 
 百石           岡源十郎
    長倉   九拾六石八斗壱升
    はち木  三石壱斗九升
 
 百石           井上猪兵衛
    柚木   六拾九石八斗余
    大輪   拾九石七升余
    なしノ木 拾壱石壱斗弐升余
 
 百石           岡本六右衛門
    風木田  六拾石弐斗七升余
    大畠   三拾七石弐斗九升余
    はち木  弐石四斗三升
 
 百石           岡本彦兵衛
    荒屋   五拾石八斗七升余
    立沢   三拾石壱斗壱升余
    円王子  拾九石余
 
 百石           松本伊左衛門
    羽田   六拾弐石弐斗五升余
    金丸   拾三石九斗九升余
    田中   弐拾三石七斗五升余
 
 百石           滝田仁右衛門
    円王寺  八拾四石七斗余
    薄沢   拾五石弐斗九升余
 
 百石           大関五郎左衛門
    力ノ内  六拾五石六斗弐升余
    円王寺  三拾四石三斗八升余
 百石           服部六郎左衛門
    牛居淵  八拾六石四斗五升余
    善津   拾三石五斗四升余
 
 百石           小滝与次右衛門
    はせた  五拾六石壱斗八升余
    中ノ内  四拾三石五升余
    藩沢   七斗六升余
 
 百石           矢野新兵衛
    とうめき 四拾弐石四斗弐升余
    前堀   弐拾三石九斗余
    横道   三拾三石六斗七升余
 
 八拾六石         大塚藤左衛門
    中嶋   四拾三石四斗余
    桧木沢  拾四石六斗九升余
    上ノ臺  弐拾七石九斗余
 七拾弐石         井上十郎右衛門
    北金丸  四拾五石弐斗壱升余
    桧木沢  拾八石五斗七升余
    大塩   八石弐斗余
 七拾石          木佐美平兵衛
    八塩   四拾六石三斗六升余
    関根   弐拾三石六斗三升余
 
 五拾石          益子茂左衛門
    田中   拾四石弐斗八升余
    こすけ  拾石三升余
    くね下  弐拾五石六斗八升余
 
 五拾石 宮内       大関惣右衛門
 
 五拾石          荒江弥三兵衛
    大柴田  三拾三石四斗九升余
    青木   拾六石五斗余
 
  給人
 合 高壱万百四拾石
    米六千四百五拾三俵四斗壱升
    永三百五拾弐貫弐百廿文
 
 百五拾石         帰一寺
    久野又  百三石三斗三升余
    余瀬   三拾四石三斗弐升
    阿久津  拾弐石三斗四升余
 
 弐百八拾四石       大雄寺
    石井沢  百四拾九石八斗八升余
    余瀬   拾弐石弐斗五升余
    阿久津  八石五斗余
    久野又  八拾三石壱斗五升余
    木佐美  三拾石壱斗九升余
 
 百壱石          新善光寺
    余瀬   三拾五石九斗八升余
    向町   六拾石六升余
    八塩   四石九斗五升余
 
 百弐拾五石        法王寺
    矢組   五拾九石七斗六升余
    八塩   五拾壱石八斗余
    田中   拾三石四斗三升余
 
 百五拾石         光厳寺
    寺宿   百弐拾壱石五斗余
    木佐美  弐拾八石四斗九升余
 
 七拾壱石         長慶寺
    川田   五拾四石四斗九升余
    八塩   拾六石五斗余
 
 拾七石          宝寿院
    八塩   拾五石弐斗八升
    前田   壱石七斗弐升
 
 弐拾石 桜田       延寿院
 
 弐拾石 堂坂       吉祥院
 
 弐拾石 青木       寿命院
 
 拾弐石 八重俵      一乗院
 
 拾四石 八塩       威徳院
 
 拾三石 余瀬       正泉院
 
 拾三石 久野又      不動院
 
 拾三石 野上       密蔵院
 
 拾壱石 尻高田      満蔵別当
 
 拾壱石 須佐木      浄居寺
 
 拾石五斗弐升 亀山    金秀寺
 五石三斗八升 滝ノ口   明王寺
 
 四拾石 大宮       大宮祢宜
 
 三拾七石         金丸祢宜
    金丸  三拾三石四斗六升余
    桧木沢  三石五斗三升余
 
 弐拾七石 大野室     大野室別当
 
 五石 久野又       普門院
 
 拾石 宮内        善行院
 
 弐石八斗六升 余瀬    明神守
 
 七石 桜田     大宮 神宮寺
 
 八石 大柴田       熊野堂別当
 
 七石 湯殿        山田祢宜
 
 三石 田宿        阿久津祢宜
 拾石 余瀬        大正院
 
 七石 柚木        三宝院
 
 三石 余瀬        三蔵院
 
 弐石四斗四升 八塩    宗庵(カ)
 
 弐拾七石         風呂
 
 八石 須佐木       須佐木祢宜
 
 弐拾石 須賀川      須賀川祢宜
 
 寺領
 合 高千弐百八拾九石弐斗
    米七百九拾表三斗弐升
    永四百貫七拾文
 都合 高壱万千四百弐拾九石弐斗  四つならし
    米七千弐百四拾四俵三斗壱升
    永四百貫七拾文
 
 高 九千壱石七斗壱升六合壱勺
                 出高
                   (朱)
                   印
(宇大図書館蔵、益子家文書)

 
 黒羽藩の石高制は、寛文以前に幕府から家臣に与へられた恩給地をもつ公知衆と、給人の地方知行制の二つである。この二つを改革して領主権力の確立と財政建直の必要にせまられていた。これらは正保年中から寛文年中にかけて、性質聡明であり政務に熱心であった高増・増親・増栄によって押し進められ、増恒・増興に引きつがれて確立されるのである。
 今、『往古以来家中分限記』中の寛永十九年・万治元年の給人知行高・寺社知行高と寛文の検地以後の『寛文年中惣給人知行高所付』によって、給人知行高・寺社知行高を比較して変革の成果を見る。
 特に『寛文年中惣給人知行高所付』によると
  給人惣数  五十三名
  惣高    一万百四拾石
  米「四ツならし」 六千四百五十三俵四斗一升
  永       三百五十二貫二百二十文

   寺社領と合せると
 出高は九千一石七斗一升六合一勺となり、この新田打出高は蔵入化している。
 しかし、所付には給人の知行所も記されていることから、知行所全部の蔵入化が出来るのは後年であろうが不明である。また、公知衆の恩給地と、給人の地方知行の制限に加えて、給人手作りにも制限を加えている。年号は知らずとして、卯十二月廿八日付の『地方知行之節御触写』として覚が現存しているが、年号は寛文三年か延宝三年であろう。これは正に、給人地方知行の制度を現わす給人手限作や百姓使役の制限である。