3 「宝暦四年五月鉄砲役銭及び払木取締に付申渡」

405 ~ 405
 前略
 一、在々百姓持分の杉桧葉並に山去々申の年も相触れ候通り三尺五寸以上の杉ひば持主切リ取り申たき節ハ、弐本を過ぎ候ハハ我等方へ申し聞せべく候それ以下の細木ハ前々の通リニ相心得申すべく候。
 一、よんどころ無キ義にて払木等仕度存じ候ハヽ名主を以て願い申し立つべく候吟味の上申し付くべく候
 一、内証ニて心得違え忍び売り払木仕り候ハヽ急度曲事ニ仰付けられ候、右の通り村々惣百姓へとくと申し付け置くべき候、今度沙汰無く払木致し候もの有之ば牢舎に相成候猶亦心得違い無之様申し付くべき候事
   戊五月三日                安左衛門」「2」
 右の申渡の内容は領内の全山林を今日の保安林取扱と類似した取扱方法で、藩の都合のためとは申せ農民所有の大木を御用木と定めて所得の制限をしたために、農民の大半は守らなかったと思われる。
 藩庁は、この難問題解決のために取締禁止令のみでなく、奨励を加味した林業政策に変った。