五 御買上菜種送状之事について

420 ~ 421
 藩が菜種を商人をとおして、買い上げた時の送状を原文のまゝ左に掲げる。
  御買上菜種送状之事
 一、菜種拾弐石五斗
  内訳ケ    野州那須郡芦野宿
               百姓
    菜種弐石五斗油菜壱柄治三郎
         同州同郡黒羽町百姓
    同 弐石五斗 同所吉治郎
         同州同郡同町名主
    同 弐石五斗 同所作右衛門
         同州同郡同町年寄
    同 弐石五斗 同所 三右衛門
         同州同郡同町名主
    同 弐石五斗 同所 源衛
 但し
私共在方菜種作付候間茂あらし場所ニ付壱割八分之出油分量申上置候得共ない生立不申依之御当地辺ニて買集申候間弐割辺の見込ミ御座候

右者去卯八月中被仰付御上納任筈の処年度奉願上置候分当七月三日本庄扇橋ニて買調同所より種を申候間若船之上此送状印鑑にて御引合上家之者立合枡目御改之上上家の者にて代金御渡可被下候以上

     右宿町惣代
     大関伊豫守領分
     野州那須郡黒羽町
          源之丞伜
  天保十五辰年 菜種納人 秀蔵
     七月四日 名主 源兵衛
  荷場油絞所
   御役所
 菜種の苗の生立ちが、思うようでなく実収は約束よりは少く、拾弐石五斗の上納をした内容が送状に示されている。(黒羽向町阿久津正二家文書)
 (注)油絞りに関する記事は『止戈枢要』に詳述してある。