目次
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第二編 歴史の流れ
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第四章 近世
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第二節 封建社会の歩み
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二、交通
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(一) 河岸
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一 近世における那珂川の舟運
1 序
422 ~ 423
近世における輸送手段として、河川が内陸水路として利用され、船荷を輸送する業者として、河岸(かし)の船問屋などがあった。
黒羽(くろばね)地方に、黒羽と矢倉(やぐら)に河岸があり、直接太平洋に注ぐ那珂川(なかがわ)水系に属したが、江戸方面に輸送する物資は、一部陸路を馬背で運び、さらに利根川(とねがわ)舟運へと継送された。
なお黒羽藩御用の荷蔵は鬼怒川水系の柳林と久保田河岸(茨城県)に置かれた。
本稿では、近世における黒羽地方の河岸を中心として、河岸の開設・船問屋・川船・輸送物資・輸送経路等の概要を誌し、舟運が果たした役割等について述べてみる。
近世の主な街道と河岸の図