(3)小鵜飼船と〓船

425 ~ 425
那珂川の漕運に当った船は、小鵜飼船(こうかいせん)と〓船とに分けられ、一部河岸場付近で川下ケ小船が利用されたものとみられる。
 小鵜飼船は荷物積船(夏川、冬川平均十二石積)は、長さ八間程、横六尺程、深さ二尺程のもので、登り船は帆を張った。たゞし、黒川舟運の場合は川が細かったので、敷(しき)は長さ三丈七尺、横四尺五寸の小船が用えられた。〓船は、黒川の場合、長さ弐丈五尺、横四尺程であった。黒羽河岸の持船は、天保二年(一八三一)の「書上帳」によると、小鵜飼船は弐拾六艘であった。また天保四年(一八三三)の持船数は次の通りであった。
 一 小鵜飼船 弐拾六艘 上河岸九兵衛
 一 同    弐拾艘  下河岸源兵衛
 黒羽河岸では、持船の外、雇舟により荷送りを行った。

上河岸と下河岸の小鵜飼船数