作新館(大関)文庫の図書は、大正四年(一九一五)十一月、黒羽藩主大関増勤の後嗣増輝氏により寄贈されたものである。即ち文化末年頃創立された黒羽藩校「何陋館」と「練武園」安政の頃再興したとみられる「作新館」の蔵書と、学将の誉れ高い藩主増業や開明的な増裕の蔵書等、大関家累代の蔵本三千二百二十六冊その他大関私学作新館時代の教科書と官版物。更に昭和十五年(一九四〇)に浄法寺百世氏から寄せられた漢書等である。その数は膨大でかつ領域も多彩であり学界の貴重書も多く含まれている。
次に図書目録(昭和五十三年より三ケ年の年月をかけ、昭和五十六年三月全蔵書の悉皆調査を完了、「作新館旧蔵書仮目録」を編さんしたもの。)の一部を掲げ、当時の藩学の心を偲びその活用を期待する。